石崎汽船本社ビル
松山市三津1丁目4−9
石崎汽船本社ビル
当時埋め立てや港の改修により、石崎汽船の社屋は港から遠ざかっていた。建築主の石崎兵太郎の「船舶の出入りを見渡せる海岸端に新社屋を」という夢を叶えるべく、大正13年建築家木子七郎の手によって石崎汽船本社ビルが建てられた。今も尚当時の姿とほとんど変わらない。
大正13年11月、新社屋の上棟式がバルコニーで行われた。懸賞付きの餅まきだったとか。
竣工したばかりの新型船と祝賀披露を兼ねて、600人もの群衆が詰めかけたそう。
建物は当時では珍しい鉄筋コンクリート造りの地下一階地上二階建て(一部三階)。木子七郎による本格的洋風建築である。当時彼は関東大震災の復興事業に携わっていたこともあり、このビルを建築する際、耐震性・防火性に気を配っていた。
またこの建物は事務所専用であり、おそらく県内でも初期の事務所専用のビル建築であったと思われる。
【スポット情報】
- 石崎汽船本社
- 住所:松山市三津1丁目4-9