大正時代の味噌醤油醸造所
元町
現当主の曾祖父にあたる鷲野種次郎は、幕末に古三津村の農家の長男として生まれました。
種次郎は村の収入役を務めていたのですが、30歳のころ一大決心をしました。
味噌醤油醸造業を興すため、弟に家督を譲り親戚の醤油屋で修行を始めたのです。
その後、現在の場所で醸造業を興し、大正12 年68 歳でこの主屋と醸造所を普請しました。
鷲野家は仕事を終えると従業員や近所の人々に家を開放し、浄瑠璃、尺八、お琴、三味線、囲碁、将棋などを楽しむ社交サロンとなりました。「まるで不夜城のようだった」と現当主の和正さんは当時を振り返ります。
参考文献:三津の古建築ものがたり
土間の中央に設けられた電話ボックス。電話ボックスの右端が大黒柱です。
通庭に、味噌醤油醸造業を営んでいた時に使っていた前掛けと、
醤油袋で作られたのれんが掲げられています。
樹齢200年以上と思われる楠の一枚板