瀬村製材所の四代目
三津ならではの町になってほしい。
ここに来たらこれがある！みたいな町。
瀬村製材所 所長：瀬村 要二郎（せむら ようじろう）
海のすぐ目の前にある製材所で働く瀬村さん。瀬村製材所の４代目です。
現在、三津浜地区まちづくり協議会の会長をされています。
生まれも育ちも三津なので、昔のことを色々と教えてくださいました。
そこには今とは全く違った三津の風景があり、昔の様子を知る人が、
新しく町にやって来た人にそのときの風景や歴史を伝えていく。それはとても大切なことだと感じました。
昔を伝えてくれる人がいるからこそ、私たちはこの町の良さを実感できるではないでしょうか。
1.三津浜に住む前はどこに住まれていましたか？
生まれたのは三津ですが、その後別府町に住んでいました。
(別府町は、三津から内陸部の方に自転車で15分程度のところにある町です。)
その後、大正時代のことなので随分昔のことですが、別府町から三津に戻ってきました。
2.どのようなお店を経営されていますか？
製材所をやっています。製材所をはじめて90年ですが、
ここ三津ではこれくらいじゃ老舗とは呼べません。最低でも100年は続けないと！
3.今の仕事をはじめるに至った経緯などをお話頂けますか？
別府町にいた頃に田んぼをやっていて、最初は農機具を作っていたようです。
そのときぼくはまだ生まれていませんでした。そこでエンジンを作っていたのですが、
そのエンジンを作るときに木を扱うので、そのうち製材所をやるようになりました。
4. どういった経緯で三津に来られましたか？
製材所をやるようになって、三津に移ってきました。
当時は三津がすごく栄えていて、商店街も100店舗以上ありました。
時計屋・着物屋・呉服屋・布団屋・下駄屋。それから酒屋におもちゃ屋・金物屋・醤油屋…
すべて三津にありました。市内にないものも三津にはあったほどです。
船も三津を中心に行き来していて当時の大阪からの荷物もここに届いていました。
島から来る人も沢山いて。だから商売をするにはとてもいい場所で、それで三津に来ました。
5.三津の善し悪しを教えてください。
いいところは、交通の便がいいところですね。市内まで電車で10分、港も10分、
空港は20分とかからないし、駅も歩いてすぐ。全て20分以内にあります。
市内に飲みに行こうと思ったら、すぐ行けるよ。
残念なところは、時代と共に人やものの流れが変化して、
今のような静かな状態になってしまったことが残念です。
6.普段、どのような日常をおくられているか教えてください。
6:30起床
→8:00から仕事
→17:00に終わる予定だけど、結局バタバタして夜になって…
→24:00寝る。
…かな。
7.三津浜のおすすめスポットはどんなところがありますか？
昔、デベラ街道と呼ばれていたところが好きです。海沿いの道で、ここは緑がすぐ近くに見えて夕日もきれい。水辺の、昔ながらの景色を見ることができる場所です。
8.こんな三津浜になったらいいなと思うところを教えてください。
三津ならではの町になってほしい。ここに来たらこれがある！みたいな町。例えばさっきも言ったような、夕日とか景色。県外からは観光客が来て、地元の人からは三津でもいこうか。と言われるような町になってほしい。
もっと賑やかになってほしいね。海浜公園とか釣り堀とかあったら楽しいよね。
9.これからの夢や目標などありますか？
ぼくも、もうここで製材所をはじめて24年経ったから、
これからは若い人達のサポートや手伝いをしたいです。
10.これから三津浜にやってくる方々へメッセージをお願いします。
飲食店をはじめる人限定になってしまうけど、
三津で飲食店をするには安くて美味しい店じゃないと流行らないよ！
ボロ儲けしてやろうという店は上手くいかないと思います。
食材も、魚介類などの島のものが簡単に入ってくるので、
リーズナブルに手に入れることができるから。
高く提供しようとするのではなく、
それなりの値段でやれば自然とお客さんはついてくるんじゃないかな。
それと、三津は食べ物が新鮮なので、味にうるさい人が多いです。
■インタビューを終えて
ヤングさんと同じく、古くから三津で商売をされている瀬村さん。
昔の三津のことをたくさん教えていただきました。
昔の様子を知るために、歴史書などの文書を読むということは良いことだけれども、
こうして実際に昔のことを知っている人から当時の様子を教えてもらうと、
目の前にその様子がありありと浮かんできます。
何十年も昔、商売の町として栄えていた三津。
現在ではシャッターを閉める店の方が多くなってしまいました。
「昔と比べて下がってしまった分だけ伸び代はあるよ。」と瀬村さんは言います。
これからお店をはじめる方には、きっと今までにない、わくわくする町だと思います。
